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睡眠時無呼吸症候群の検査・治療

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

眠っているときに呼吸が止まった状態が繰り返される病気です。呼吸が止まることにより、血液中の酸素濃度が下がったり血圧が上がったりするため、高血圧や糖尿病などの生活習慣病や、心筋梗塞・脳梗塞など血管系の病気を起こしやすくなります。また、酸素濃度が下がると気道を広げるために脳が覚醒し、睡眠が分断化され熟睡できず、睡眠不足の状態になります。その結果、日常生活や仕事、運転に影響を及ぼします。

原因

空気の通り道である気道の閉塞により、睡眠中に呼吸ができなくなります。その原因としては、肥満がある、あごが小さい・首が短い、鼻づまりがある、喫煙や飲酒の習慣があるなどが挙げられます。

症状

主な症状は以下の通りです。

・睡眠中に呼吸が止まる、大きないびきをかく

・就寝中に頻繁に目が覚める

・就寝中に頻繁にトイレに行く

・熟眠感がない、目が覚めたときに頭痛がする

・日中に強い眠気を感じる、集中力が低下する

検査

いびきや無呼吸の指摘、自覚症状などの問診行います。また、睡眠尺度評価(ESS)という質問票を用いて、眠気の程度を確認します。

問診から睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、スクリーニング検査として簡易検査をご自宅で行います。ご自宅で検査機器を装着して寝ることにより、呼吸、呼吸努力、酸素濃度、脈拍、いびき、体位、体動の7つの測定ができます。

簡易検査で睡眠時無呼吸症候群が確認された場合は、ポリソムノグラフィ検査(PSG)を行います。簡易検査に脳波や筋電図などの測定を加えた最も精密な検査方法です。簡易検査と同様に、ご自宅で検査が可能です。

診断

AHI(無呼吸低呼吸指数)が5以上で、日中の眠気やいびきなどの症状がみられる場合に、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。重症とはAHIが5以上15未満で軽症、15以上30未満で中等症、30以上で重症と診断されます。

治療

睡眠時無呼吸症候群の治療にはCPAP療法(持続陽圧換気療法)が行われます。機器から圧力をかけた空気を鼻から気道に送り込み、気道が閉塞しないよう気道を確実に広げ、睡眠中の無呼吸を防止する治療です。小型・軽量で簡単に鼻から装着して寝ます。CPAP療法を行うと、よく眠れるようになったり日中の眠気が抑えられたりといった効果が期待されます。

ポリソムノグラフィ検査でAHIが20以上でCPAP療法が保険適用になります(簡易検査の場合はAHI 40以上で保険適応になります)。

また、原因となる生活習慣の改善(減量、禁煙、就寝前の飲酒を控えるなど)も必要です。

睡眠時無呼吸症候群は薬で治療することはできませんが、鼻づまりがある場合は症状が悪化するため、鼻炎の治療を行います。

睡眠の重要性

睡眠はからだと脳を休めるために大切です。まわりから睡眠中に「よくいびきをかく」「頻繁に呼吸が止まっている」などと言われたら、お気軽にご相談ください。

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